第6章

律太と付き合ってからというもの、私の毎日は充実感に満ち、鮮やかに色づき始めた。

私が絵筆を走らせている間、彼は隣で静かに本を読んでいる。時折、ふと顔を上げて私を見つめるその眼差しは、どこまでも優しかった。

彼の実験中には夜食を差し入れ、その真剣な横顔を眺めながら、穏やかな時の流れを愛おしく思う。

二人で朝日を迎え、図書館で深夜まで試験勉強に励み、学食でありふれた定食を突く。

そんな何気ない日常こそが、私にとって何よりもかけがえのない宝物だった。

なぜなら私は知っているからだ。この幸せが決して当たり前のものではないことを。

けれど、悪夢は訪れる。

その夜、私は夢を見た。前世で律太...

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